空手上達への近道は基本だった?初心者も有段者もしっかり行うべき理由!

空手

空手を習い始めるとまず習うのが、基本と呼ばれる「立ち方・構え・突き・払い・受け・蹴り」などの動作です。

基本は、実際に組手や型をする際に、演武の綺麗さや正確性を判断したり組手での構えや距離感・正確さを判断したりするために各流派が決めた基礎的な練習方法で、

基本ができていないと次のステップに進めない重要なものです。

しかし、

初心者のうちは「動きについていけない」「受け払いのタイミングが分からない」などの経験をされたことも多いのではないでしょうか?

基本は、積み重ねて正しく練習することで技を必ず身に着けることができるものですが、「何かコツがあれば」と思ったことはありませんか?

今回は、

空手の基本動作は一体どんなことをするのか、なぜ大切なのか、空手の上達への近道など詳しく解説します!

初心者さんは上達できるように、経験者さんはさらに正確に基本を習得して型や組手に活かすことができるように参考にしてみてくださいね!

目次

空手の「基本」とは

空手の「基本」とは皆さんは空手の「基本」をご存知ですか?

野球やサッカーに基礎練習があるように、空手にも基本と呼ばれる稽古があります。

スポーツに限らず勉強や趣味、どんなことでも「基礎・基本が大切」だといいますが、空手も同じように基本がとても大切です。

師範の先生たちの中には「空手は基本に始まり基本に終わる」という人もいるのです。

基本を習わないままで急に型や組手をすることはできませんし、空手の道場に通う上で必ずどこかの流派に所属して、その流派の基本を学ぶことになります。

まずは、基本と呼ばれる動作の中にはどのような「立ち方・構え方・突き・蹴り」があるのかを理解しておきましょう!

基本はいつ行うもの!?

では、基本は稽古中のいつ、どの時間に行うのでしょうか?

道場によって若干の違いはあるかと思いますが、準備体操を終えて神棚に向かって礼をして心を整えた後、先生からの挨拶が終わった後に基本動作から稽古をスタートするのが一般的です。

公共施設の体育館や公民館、スポーツセンターなどを利用している場合は、練習場の扉から正面奥側を神棚として、練習前後の礼を行います。

強化練習などを除く日々の稽古では、稽古前の礼が終わってから基本稽古を行っています。

基本の構成要素

基本の構成要素先ほどから基本についてお伝えしていますが、具体的にどのような技や立ち振る舞いがあるのでしょうか?

今回は、全日本空手道連盟(JKF:全空連)指定の「基本」の動作を解説した動画を併せて紹介しますので、四大流派の型の試合で指定型の演武を選択する際に、統一した四大流派の構えとしてぜひ参考にしてみてください。

立ち方

基本的な立ち方に、閉足立ち・結び立ち・三戦立ち(サンチン)・基立ち・前屈立ち・四股立ち・後屈立ちなどがあります。

閉足立ちは起立した状態で背筋をきちんと伸ばし足を閉じた状態で、この立ち方を基準にして足運びをしていろいろな立ち方につなげていきます。

型では特に立ち方に重点を置いた動作が多いため、正しくできるようになっておかなければなりません。

払い・受け

立ち方に合わせて上半身に動きを付けた動作を行うことで相手からの攻撃をかわす受け・払いという技があります。

基本の練習の際には前屈立ちの姿勢を取り、払いや受けの動作を行う手と反対の手で引き手を取りながら行うことで、相手の攻撃に負けない力強い受け手と引き手を取ることができます。

受けと払いには下段払い・上段払い・内受け・外受けなどがあります。

突き

相手からの攻撃を払いや受けを使って防御した後に、打撃技として使う「突き」があります。

突きは、拳の握り方や打撃する箇所に正しく突くことができれば、組手などの実践でポイントを取ることができるものです。

突きには上段突き・下段突きなどがありご紹介する動画に握り方が詳しく解説されていますので、経験者さんもぜひ練習の際に役立ててくださいね。

蹴り

突きと同様に、突きや払いを防御した後に、打撃技として「蹴り」があります。

蹴りも突きと同様に、相手の急所を狙うことで組手の試合で高いポイントを得ることができる技のひとつです。

蹴りの技には前蹴り・横蹴り・後ろ蹴り・回し蹴りなどがあります。

組手では、蹴りが決まった際のポイントが大きいため、急所となる箇所に正しく足運びができるかどうかが重要になります。

基本の立ち方や、受け・払い・突き・蹴りは流派によって若干の違いはありますが、どの技も空手を習い始めると必ず最初に習うものです。

基本をベースにして作られたものが型ですので、しっかりと習得しましょう。

今回参考にした参考動画はコチラからご覧ください。
↓↓

基本をなぜ重視するの?

どんな習い事や勉強でも基本は大事だと言いますが、空手も基本を特に大事にしています。

もちろん、級位や段位が上がることで習得する型の難易度も上がるため基本を正しく習得することも基本を大事にしている理由のひとつですが、武道ならではの理由もあるのです。

一体それは何なのでしょうか?

昇級・昇段審査のため

空手を習い始めたばかりの頃は、胴着を締める帯の色はみんな「白帯」からスタートして、黒帯を目指して稽古に励んでいきます。

現在の級より上の級や段位を目指す際に必ず受けるのが昇級・昇段試験です。

昇級審査の審査項目の中には、型や組手、分解、移動技などの項目の他に、基本動作が正しく行えているかを審査する項目があります。

もちろん基本動作に完璧を求めているのではないため、自分が今できる精一杯の力を発揮すればよいのですが、>審査をする先生方は基本などの項目を見て、次の級を取得するのにふさわしいかどうかを判定します。

審査に合格するためにも、普段の基本稽古はとても大切なのです。

型や組手での自分の癖をなくすため

試合に出場した際に一回戦で負けてしまったという経験はありませんか?

日々の稽古もそうですが、「基本」は型や組手のひとつひとつの動作に結び付いています。

試合に出たけどいまいち結果を残すことができなかったという場合には、日々の稽古の中で自分の癖がいつの間にかついているのかもしれません。

後述する「3.級や段位が上がってきたら「基本」は必要ない?」の項目でも経験者が見落としてしまいがちなポイントをご紹介いたします。

武道の精神を引き継ぐため

空手を含む柔道や剣道、弓道などの武道のルーツは侍さんたちが日々心と体を鍛えることを目的として始まったところにあり、武道は日本の国技でもあります。

空手の基本は一度技を身につけてしまえばそう難しいものではありませんが、繰り返して練習することで自分自身の心を鍛えることも目的としています。

日本人は昔から「辛抱強く、勤勉だ!」と言われてきましたが、空手の開祖となった諸先生方も日々稽古に励み基本を繰り返したからこそ今の空手があると言っても過言ではありませんね!

級や段位が上がってきたら「基本」は必要ない!?

空手を習い始めたばかりの頃は、みんな目をキラキラさせながら必死になって、立ち方・受け払い・突き・蹴りを覚えようとします。

新しいことを学ぶのはいつだってドキドキワクワクしますよね!?

しかし、級が上がるにつれて「基本稽の時間があるけど型や組手の練習がしたい……とりあえず、もう知っているから適当にやっておこう」という気持ちで練習していませんか?

私が指導する道場生の中にも「先生!試合が近いから今日は型だけしたい!」「基本は上手になったから早く違うことをしたい!」と話す生徒がいます。

もちろん試合用の練習も必要ですし、新しいことを教えてあげたいと指導者も思っているのですが、当たり前に基本ができるようになった時こそ、基本を大切にしてほしいと考えています。

基本を繰り返して練習することで自然と型の時の間合いや、組手でのいてとの距離感などが身についていきます。

級や段位が上がった時こそ、基本に立ち返ることが大切なのです。

では、それはなぜでしょうか?

いつのまにか楽をして変な癖がついているかも!

空手空手の稽古は少年の部と一般の部、少人数の道場である場合には混合で練習を行い、白帯、色帯、黒帯などの級や段が関係なく、みんな同じように稽古を進めます。

特に基本は先生の目も白帯の生徒にいきがちになるため、基本ができる色帯の生徒は何となく基本動作をして、楽な姿勢を取ってしまいがちです。

その楽な姿勢が続くといつの間にか変な癖がついてしまい、きちんと腰を落としていない、きちんとした正拳突きができていないなど、自分では出来ているつもりでも実際には直さなければいけないところだらけだった!ということが多々あるのです。

変な癖をつけてしまうと試合で良い結果を出せなくなってしまい、伸び悩む原因にもなってしまいます。

特に昇級審査は所属する流派の級にふさわしいかどうかを見るテストですので、基本が崩れていると合格することが難しくなってしまうのです。

では、変な癖をつけないために、日々の基本稽古をどのように注意すればよいのでしょうか?

基本から学ぶ!上達への近道方法は?

基本はその名前の通り空手の基礎的な動きです。

上級者になるにつれて、基本を省略して型や組手の得意分野に重点を置いてしまいます。

基本を忠実に行うことは、空手の上達するための近道であると私は思っています。

これから紹介する4つのことは、実際に私の道場でもよく口にすることです。

空手を始めて間もない人、すでに空手を習っている人、小さなお子さんに空手を習わせている保護者の皆さんなど、すべての人を対象にしていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

反復練習

これは空手だけに限りませんが、うまく出来なかったところ・間違えてしまったところを繰り返し練習することが大切です。

「繰り返して練習してね!」と伝えると生徒の多くは、すでにできるようになった部分ばかりを練習しようとしますが、これは間違いです!

自信のないところはやりたくないと思ってしまいがちですが、苦手なところも続けることで必ず出来るようになります。

誰かと比べる必要はありませんので、ゆっくり苦手なところを克服していきましょう!

注意されたことをノートに書く

先生から突き・蹴り・受け方を注意されたときどうしていますか?

もちろんその場で注意された箇所を直して、号令の間にできるように練習しますが、時間が経つと注意されたところを忘れてしまい、次回の稽古の時に同じことを注意されてはいませんか?

「先生から注意を受けた後の休憩時間や自由時間に、メモ帳や紙に注意されたことを書いてみましょう。

どんなことを注意されたのか、どうしたら基本に忠実になるのかなどを書いておくことで、自宅で練習する時や次回の練習時に「あ!ここ注意されたところだ!」と気づくことができるようになりますよ!

先生が他の人に注意したことを自分に当てはめる

稽古中に誰かが注意されている時どうしていますか?

多くの場合は体勢を崩して次の号令を待っていることが多いと思います。

他の誰かが注意されている時、自分はきちんと出来ているかどうか確認してみてください。

  • 引き手はきちんと出来ているか?
  • 正しい手順で正しい位置を突くことができているか?

先生が誰かを指導している時こそ、自分ができているかを確認するチャンスです。

ただの反復練習にならないように、号令ごとにきちんと出来ているかを確認しながら行うことが大切です。

鏡の前で練習または誰かに動画を撮ってもらう

もっと上達したいから自由時間や自宅に帰って練習したいと思ったときに、先生から注意を受けた個所を復習しようとしてもノートに書いてあることだけではイメージしにくいことがあります。

そんな時は、鏡の前で自分の姿を映しながら練習したり、指摘された場所を誰かに動画で撮ってもらったりしてください。

自分では出来ているつもりでも客観的に見てみると、問題の個所が間違っていることに気づくことができますよ。

反復練習を繰り返すことも大切ですが、まずは鏡や動画を見ながら10回の中で何回正しく出来たのかを確認し、その回数を徐々に増やしていくようにしましょう。

基本は自宅でもできる!?

空手が楽しくなってくると、次の練習が待ち遠しくなり、早く上達したいと思うものです。

自宅で練習したいと思った時、みなさんはどのように練習していますか?

変な癖がついてしまうから自宅での練習はしないでほしいという指導者もいますが、ここでは、体力や筋力アップも目的としてご紹介します!

前屈立ち・四股立ちなどの下半身を使った動き

前屈立ちは最も基本的な立ち方で、型・組手ともによく使います。

一見簡単そうに見えますが、前足を曲げてキープを続けるとプルプルしてきちんとした状態を維持するのは難しいです。

しかし、テレビを見ながらCMの合間でもできる構えのひとつです。

初心者の場合は無理のない時間で背筋を意識して行いましょう。

すでに前屈立ちで一定の時間キープできるようになった場合は、四股立ちや三戦立ちで構えを崩さず状態をキープしましょう。

突きや蹴りは目標物を決める

空手突きや蹴りは相手がいることを想定して行うとよいですよ。

道場ではミットやサンドバックに向かって練習する場合がありますが、自宅でも目標となるものを決めて練習し家族に枕やクッションなどの柔らかいものを持ってもらい、決められた場所に正確に打撃できるように練習しましょう。

また、鏡の前で自分の姿を見ながら正しい構えができているかを確認してもよいでしょう。

まとめ

今回は「基本」について紹介しました。

「基本」は、練習の回数を重ねるたびに新たな発見があり、その重要性に気付かされるものです。

始めたばかりの頃は覚えることが多く、大変かもしれませんが、練習の数だけ上達することができます。

基本をしっかりできるようになることで、型の意味がより分かるようになり、組手で相手が攻撃してくるタイミングやフェイントのかけ方、間合いを取った後の攻撃の仕方が分かるようになり、試合での成績も格段に向上しますので毎回の基本練習をきちんと取り組むことが大切です!

日々の基本稽古を大切に取り組むことが上達への近道です。

頑張っていきましょう!

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